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無駄なく若さの秘訣

何においてもそうであるが、大量に物を生産した場合、品質保証がしっかりとなされなければ、その反動を受けて生産者は買い手の信用を失うことになる。 日本ではここに来て新規公開する企業が急減しているが、これは大量公開による株式の需要悪化によるものと見られている。
大量生産により生み出された公開企業の経営の質の問題が招いた当然の結末である。 そして大量公開した証券会社にそのツケは回ってくるのである。
一方、アメリカの株式市場の中で世界の大手が集うニューョーク証券取引所に対し、ベンチャー企業などに資金を供給する役割を果たしてきたのがNASDAQ(米店頭株式市場)であり、NASDAQはMs、Aj、In、Ap、Orといったベンチャーの代表選手を育ててきた。 その特徴は何といってもハイテク企業が多く、昨年末で約5500社に達している。
毎年800〜900社近い企業が新規公開する一方、400〜500社近い企業が倒産や公開取消しを強いられ消滅している。 店頭公開を果たした日米のベンチャーの上位企業の比較をしても明らかなように、規模の面でも事業内容の面でも大きな違いがあることを思い知らされる。
日本においても大量公開の姿勢を改めないと、優れた技術を持った高い成長性を期待できるベンチャーに資金が回らず悪循環が続くことになる。 安易な公開を避け、質のよい将来性のあるベンチャーを発掘することによりはじめて投資家の信用を回復できるのではないだろうか。
◇Aいずれにせよ、日本社会のコア(骨格となっている体質)はかなり硬いことを認識しておくべきですね。 コアまで一挙に変わることはありえない。
また科学技術や産業をめぐる「戦争」で負けて、焼け野原になるわけにもいかない。 それでは、日本社会にはどういう変わり方があるかということです。

だれかが言うように、もう一度鎖国をして自給自足でいくというのがあります。 3世紀ぐらい寝ていると23世紀に目覚めたときに果たして何が起こっているか。
これができたのがT時代です(笑)。 ◇Yタイムカプセルに入れてしまうんですね。
しかし、世界からもっと孤立してしまうことにもなりかねない。 ◇Kグローバリゼーションは快適ではないから鎖国をしろ、という意見ですね。
どちらかなんでしょう。 いまの世の中では中途半端はダメなんです。
鎖国をするとどうなるかという『平成鎖国論』という本があって、鎖国しても大丈夫かと資源などを調べたら大丈夫だという結論。 だったら、鎖国しても悪くないんです。
鎖国すればT大が一番、大蔵省が一番、自民党が一番、みんなそれでハッピーなんです。 それがいやならグローバリゼーション。
こっちを選べば中途半端はできなくて、主としてアングロ・アメリカンのスタンダードでやるしかありません。 ◇Aグローバルな自由市場に合わせて人の動きや社会の仕組みが一挙に変わるかというと、骨格はかなり硬いのでそう簡単には変わらない。
それでは、フリーゾーンをトップダウンのリーダーシップでつくり出せないのか、という政策論になります。 フリーゾーンはT大学にも会社の中にもできるし、日本社会のさまざまな分野にもできる。

伝統的なコアとともに、よりグローバルなシステムが日本社会に共存する状態をつくるわけです。 このような提案に対し、それはダメだと言う人はあまりいないと思います。
古い人でも変わらなきゃということでは一致している。 本能的にはいやだと思っても企業も官僚も反対はしない。
おおっぴらに鎖国しようと言う人もいない(笑)。 いままでの通りでいいんだと言う人もいません。
ではどうするのかというところまで問題は煮詰まっている。 ◇Nそれには3つの流れがある。
1つは、大学からスピンアウトしてベンチャーを起こす「ベンチャー・イン・アカデミー」。 T大の医科学研究所なんかはそうです。
2つめは「ベンチャー・イン・インダストリー」という、企業がベンチャーを起こす流れ。 そしてもう1つは「ベンチャー・イン・ガバメント」。
Hx研究所はまさにこれです。 そういう3つの流れがあると思うんです。
◇A日本人がやったら「この野郎!」ということになってしまいますが、外国人だったら◇A企業によるベンチャーか政府によるベンチャーかを、明確なリーダーシップのもとで政策化し、お金と場所も付ければ、必ずできます。 「スペース」「金」「人」について言えば、日本はまだ資金はあるので「金」と「スペース」をつくることはできる。
人についてはグローバリゼーションを進め、日本人だけを対象にベンチャーをやるという考え方ではなく、国際的なグローバル・スタンダードでどんな人とでもやることを原則とする。 ただちに変えられるものはすぐに実行する。

この点では私たち3人の意見は一致しています。 ◇N来たるべき21世紀の情報革命、医療革命の中で、ベンチャーはどういう準備をしていけばいいかが非常に重要になってきます。
そうすると、K先生が考えているこれからの医療ビジネスはどういうふうになっていくか。 それに情報革命をどういうふうに持っていけばいいのか。
そこにベンチャーの役割が生まれてくるのではないでしょうか。 ◇Kただ、どうしてもいまのシステムだと、何かしようとすると規制と行政指導のシステムが必ず足を引っ張る。
それを凌駕するぐらいのことをするためには、A先生が言ったみたいに、必ず外国の人を半分以上は入れておくというようなシステムをつくること。 これが大きな力になると思います。
なぜかというと、「やっていることはすべてオープンです」と見せることになるからです。 ◇A外国人がここに来て仕事をやりたいと思う魅力ある場所をつくって、一緒にやりたい日本人はそこに合流するなら、文句をつけようがない。
◇K科学技術庁のシステムにしても、新しい投資をするのであれば、17兆円を組んでも、これから5年でやるという既存の研究システムは絶対に効率が悪い。 たとえば1つの研究プログラムに1年に1億円を5年付けてくれても、既存の講座の枠で、スペースは一定、人は一定ということだったら、ものすごいむだです。

だから、いままでの大学にはある程度お金をつぎ込んでサポートしてレベルアップはするけれども、特にベンチャーや研究についてのこれからのグローバリゼーションには、いままでの大学の講座制ではなくて、まったく違う新幹線方式のプログラムを1つつくろうと私は言っているんです。 そこにお金を投資しなさいと。
そこの人事はコネではなく、インターナショナルにオープンにして公募する。 国のベンチャーであれば、10ユニットのラボラトリーをつくるとすると、日本が最初は金を出すから4ユニットのリーダーについては日本から選ぶ。
あとはヨーロッパ、アフリカ、アジア「初めから違う人なんだ」ということで認めるわけですね。 ◇Yそのオープンシステムを、日本は大学でも企業でももっと取り入れる必要があります。
それをしないとグローバル・スタンダードに近づけない。 どうも日本社会というのは、すべてにおいて閉鎖的性格の上にできているため、混じり合わないようになっている。
日本人特有のものですね。 からの公募とする。
その下の大学院学生、ポスドク、研究者もすべて国際公募にする。